コアラの親子

2020.09.05 Saturday

コアラの親子

 

 

コアラの親子と、キャンプする夢を みた。

ただのコアラじゃぁ、ないよ。

おすもうさんみたいに、とびっきり でっかいの。


どうやら、夜らしい。

たき火の灯りが、ぼぅっと、辺りをオレンジに照らしてる。

 

コアラパパは、たき火の番人。

薪をくべる その両腕には、普通サイズのコアラの子どもたちが

2匹… いや3匹。ぎゅっとしがみついて、ぶらさがってるんだ。

 

それでもコアラパパは、全然へっちゃら。

今にも「しこ」を踏みだしそうなくらい、どっしりした構えで、

悠々と、薪を くべつづけてる。

 


あ、コアラパパが、こっちを見た。

まるでお地蔵様みたいに、慈悲深い目をして、私をじっと、みつめてる。


たき火は音もなく、ただ、気配だけが燃えている。

オレンジに照らされるコアラパパは、ますます神々しい。

 

ああ、なんて、美しいの…


吸い込まれるように、私はコアラパパを みつめている。

 

 

これは写真に撮らなければ!

突如思い立ち、あわててカメラをかまえる。

コアラパパは黙ったまま、私をじっと、みつめてる。


絶好のシャッターチャンスだ!

この上ないほどのカメラ目線に、思わず息をのむ。

 

にもかかわらず、暗がりの中なもんだから、

なかなかピントが合わない。

 

ジージジジ…… ジッジッジ… ジーーーッ

 

シャッターを半押しするたびに、

オートフォーカスゆえの、悲しい音が響く。

 

結局私は、満足いく写真を撮れないまま、夜が明ける。

 


コアラの子どもたちが、コアラパパの腕から離れ、朝靄の中を遊びまわっている。

 

なんて不思議な、愛おしい瞬間だろう。

 

写真は撮れなかったけど、私はこの光景を、決して忘れない。

 

そう、胸に誓った。

 

 

コアラだっこ

 

 

 

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