笑う門に潜むブタ

2020.03.18 Wednesday

hisomukobuta

 

 

 

ダウンタウンの松ちゃんが、よく鼻を鳴らして笑うけれど、
私の鼻の奥にも小さな小さな子ブタが住んでいて、
私が身をよじらせて大笑いをすると、ここぞとばかりに「ブヒッ!」と鳴く。


自分の鼻に子ブタが潜んでいることに気づいたのは、中学1年の頃で、
私は不意に現れるこの子ブタの「いななき」が可笑しくてたまらなくって、
暇さえあれば、やたら友達に披露していた。


「笑うとブタ鼻になるんだよ〜」と言い放ち、おもむろに笑い始める。


最初はわざと「ブヒッ!」と鼻を鳴らして息を吸い込むわけなんだけれど、
繰り返し「ブヒッ!」とやっているうちに、本当に可笑しくなってきて、
こうなったらもう子ブタは止まらない。


「アッハッハッハ… ブヒッ!」「ア〜ッハッハッハッハッ… ブヒッ!!」


子ブタのいななきは、息を吸うごとにどんどん大きくなり、
私は一人狂ったように笑い転げ、そして最後は、むせて咳込んで終わる・・・


というのが、当時私の最大のお気に入りの持ちネタであった。

 


・・・ええと。
なんで突拍子もなく、わざわざこんなことを書いたかというと、
この間見た「ワイドナショー」が、ものすごく面白かったもんで。


ゲストで登場した野田クリスタルという芸人さんが、
ブロックくずしの「デッカチャンゲーム」というのを披露してくれたのだけど、
私はこれがもう、とにかく無性に可笑しくて、腹を抱えて大爆笑。


暗いニュースが延々と続く今。終わりの見えない閉塞感の中で、
久しぶりに、思いっきり、笑い転げた気がする。


長いことずっと沈黙を続けていた私の子ブタも、
それはそれは嬉しそうに、「ブヒッ!」と大きく、いなないていた。


子ブタの健在に、私はホッとした・・・

 


何もかも忘れて、ただ笑う。
それって、ムチャクチャ、すごいことだと思う。


「笑う」ということは、とても瞬間的なことだけれど、
だからこそ、笑うことのできたその一瞬に、人は心救われる。


笑いは、尊い。


私はこれからも、不意に現れるこの子ブタを、こよなく愛す。

 

 

 

関連する記事

※当サイト内の文章・イラスト画像等の無断使用・無断転載はご遠慮ください。